えきふの夢

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シャディクくんの最後の一歩に拍手と祝福を 機動戦士ガンダム 水星の魔女 24話(最終回)感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女 24話(最終回)「目一杯の祝福を君に」感想


遅くなりましたがやっとの感想です!!!

めちゃくちゃ面白かった水星の魔女がついに終わっちゃった~~!!!

そして、最後までめちゃくちゃ面白く駆け抜けていった……!!!!
堂々完結!!!!ありがとう水星の魔女!!!!すごいアニメだったよ水星の魔女!!!!!


GUNDとパーメットの可能性

「パーメットは設定的にはニュータイプ空間とかGN粒子みたいな使い方ができるんじゃ?」
「パーメットを介してならエラン4号と再会できるんじゃ?」って私は言ってたんですけど、
最終回でついに来ましたね!!!いや〜よかったよかった…。

エラン4号くんについては公式ラジオやインタビューでも声優陣が「死んだ」という言葉を妙に使わないようにしていたのが
引っかかっていて、でも実は生きてたって展開は流石に無理があるからやらないだろうと思っていましたが、
「データストームの中で生きている」が答えだったという事ですかね。

エリクト(エアリアル)を「死んだ人間の意識のバックアップ」じゃなくて「肉体を超越した新しいヒトの形」としている以上、
エラン4号もGUND理念上の定義においては「死んで」はいなくて、肉体から解き放たれデータストームの中にいると。
それに合わせて公式メディアで発する見解としては「死んだ」という表現をしないようにしたのでしょうか。

私は今までエリクトの意識だけが生きてる仕組みはエアリアルのパーメットそのものに残留思念が宿っているものかと
思っていたんですけど、今回他の(ガンダムに乗った経験のある)故人たちまで登場したのを見るにそうじゃないっぽいですね。
みんながそれぞれ乗っていたガンダムは別でも、データストームはひとつの共通のネットワークで、
そこにみんなの意識がアップロードされている…?パーメットはその媒介って事なのかな?
データストーム世界は物質世界を超えた上位階層の世界…のようなものなんでしょうか。
エリクトはデータストーム世界にいながらエアリアルとして物質世界にも干渉できる、かなり特殊な形…みたいな。

さらっとやりつつもなかなかSFな設定で面白かったですね、パーメット周りは。
技術的に行くところまで行ったら機械の肉体に意識を乗り換え続ける『キャプテン・アース』の遊星歯車装置みたいになれそう…
あの世界のGUND技術が肉体を捨てる方向に進むかどうかはわかりませんが。


結婚おめでとう

スレッタ、ミオリネ、結婚おめでとう〜〜!!!

ここまで来たら曖昧な表現に逃げずに二人が「結婚」したかどうかはっきり描いてほしい気持ちと、
でも二人が学生のまますぐ結婚すると政略結婚からは脱しきれてない感じがするしな〜って気持ちがあって、
どうなるのがいいものかと思っていましたが…

「3年後のエピローグで二人が左手薬指に指輪をしている」って描写はなかなかいい塩梅でしたね!
3年後だから高校を卒業して少し大人になっていて、ホルダーとかトロフィーの花嫁とか関係ないところでも
二人で想いを育んでから結婚という形に辿り着いたのかなって、想像できる余地があって良いです。

どうせならちゃんと結婚式挙げるところも見たかったかなとは思いますが、
ミオリネも償いツアー中の身なので、華やかなドレスと会場でイエーイ!!するほど浮かれられる空気じゃないのかも。
スレッタも療養中ですしね。あのくらいのささやかな幸せ感が最終回の文脈的には一番ちょうどよかったかもしれません。
なんとなく今の段階ではまだ式は挙げてないのかな?って気がします。

とはいえ、二人の「最高のドレス」がどんなものなのか見たかった気持ちもあるっちゃあるので…
今後スペシャルエディション的なものの新規カットで拝めたりしてもいいんですよ〜!!とは言っておきますw


さようならシャディクくん(推し)

「さようなら」……

シャディクくん…ミオリネと協力するようになったとはいえ、
やった事のレベルを考えると法的には重めの刑を科されそうだよな…とは思っていましたが、
やっぱり死刑か終身刑くらいにはなるんでしょうね…。そんな仄めかしのある別れの言葉でした。

フラれてもなおミオリネへの未練や執着を捨てる気がまるでなかった男が
ついに口にする「さようなら」はでかい…心に重く突き刺さる…


いやでもでも!!シャディクくんのあの結末は、報われたものだと私は思いますよ!!!

なぜなら…「勝手にミオリネの罪まで被った」からです!!!!!
これにより、大義よりも優先する事がとうとうできなかった「ミオリネを守る」って願いを最後の最後で叶えたんですよ!!!!

もちろんミオリネからすればいや知らねぇよ聞いてねぇよ誰が庇えと頼んだよ…でしょうよ。
事前に知っていたら反対したでしょう。こんなのシャディクくんのただの自己満足だと思いますよ。
でも…そんな傲慢なナイト気取りこそが、これまでずっと描かれてきたシャディク・ゼネリの愛の形ではなかったか!?

ミオリネに「私もあなたと同罪よね」と対等な立場で償いを持ちかけられようが、
そうは言っても彼女は絶対俺よりも少しでも綺麗な道を歩むべき美しい人だ!!!
それだけは絶対に譲れない!!!例えミオリネ本人相手にも!!そう思ったんじゃないか!?

これは献身的な自己犠牲なんかじゃなくて、シャディクくんの意地とプライドなんだと、私はそう思います!!!

「さようなら」と告げる時さえ、いつも通りの笑顔で飄々としてみせた。
下手に「君を守りたかった」「愛してたよ」などとミオリネに爪痕を残すような事を言ったりもしない。
(※ほとんどI love youの異音同義語と化した万感の「さようなら」だとは思う)
古川慎さんの「深く熱い感情が奥にあるのに出力される声そのものは抑えられている」って芝居、本当にピカイチだと思う)

シャディクくんのすごいところは、ミオリネの見てないところだと汚ミオ(「汚したなミオリネを」の略)とか言って
気持ち悪い暴れ方するくせにミオリネの前ではキリッと平然としていられるところですよ。
最後までそのスタンスを崩さなかった…完璧なかっこつけっぷりだった…


当ブログは「後方騎士面キショいからやめろ」「やっぱそれどころじゃないからやめなくていい!」
「いややっぱやめるに越した事はない、今度こそやめられたかな?」と、
手のひらをグルングルンしながら彼のミオミオへの姿勢を見守ってきましたが……

やめなかったので私の負け(?)です……

シャディク・ゼネリさん、今まで後方騎士面やめろやめろ言ってすみませんでした……参りました……
ここまで貫けたならそれはもう本物の騎士……見事……あっぱれ……スタンディングオベーションします……

水星の魔女はプロスペラ、デリング、ヴィムの「子への愛情があるからこそなんか嫌な感じになってる」部分を
すごく自覚的にに批判的に描きつつもそういう生き方を全否定はしない、という絶妙なバランス感覚がありましたが、
シャディクくんのミオリネへの独りよがりな愛もまた否定されないものだったんですね…すごい…すごいぜ水星の魔女……


本当にクワイエットゼロの全部が全部をシャディクくんのせいにできるかっていうとわからないし、
そりゃあマジの元凶のデリングも諸々責任を取ろうとするんでしょうが、
シャディクくんがやりたかったのはミオリネがほぼ騙し打ちで被らされた部分の泥を少しでも払う事なんだと思います。
どうせクワイエットゼロと関係なく100%自分の意思でやったテロで元から重い刑は確定してるようなもんだし…
今更ひとつかふたつ罪が増えても大して変わらないんでしょう。

なんだかんだで革命家としてもただの恋する少年としてもやり切った結末だったんじゃないかなぁ。
地球と宇宙の力関係の改善はミオリネやサビーナ達が違う形で頑張ってくれるって信じて託せたし、
そしてミオリネへずっと踏み出せなかったあと一歩を、大義と関係なくミオリネだけに向かった最後の一歩を踏み出せた。
例え死刑終身刑になっても胸張れるんじゃないでしょうか。だから「さようなら」って言えたんだと思います。

YOASOBIさんの「祝福」の「この星に生まれたこと この世界で生き続けること その全てを愛せる様に」っていう
自己肯定の歌詞が私は好きで、今回の最終回がちゃんとそういうオチになったうえで「祝福」を流して
サブタイトルにもしたのが超えらいと思うし、見事すぎて泣いたんですけど、
シャディクくんもきっとミオリネと出会って好きになった自分の人生を愛せるんだろうな……
感じられてますます泣きました。普通の幸せな人生とは違ったかもしれないけど、間違いなく祝福された存在だったんだと。


シャディク・ゼネリくん…褐色イケメンな顔と古川慎な声と「飄々」という紹介文でうわぁ絶対好きなタイプ!!と
放送前から確信して応援してきましたが、期待以上に素晴らしいキャラクターでした!!!
特にミオリネへのエゴとジレンマの部分が大好きだったから…そこが報われる結末で本当によかった!!!!
推してきてよかった〜〜〜〜!!!!!

ありがとう!!!!!!!目一杯の祝福を君に!!!!!!!!!!


全体を通して

後からよく考えると「いやこれとかあれとか結局何なの…??どうなるの…??」
って疑問に思わなくもない点は結構あるんですよねw

兵器としてのGUND技術の危険性/優位性が結果的により大きく宣伝されちゃってそうとか、
クワイエットゼロ云々が表向きにはどういう体で処理されるのか、
ズブズブだった宇宙議会連合の強硬派とオックスアースは裁かれるのか、
ばら撒いた資産を地球が使いこなせてないのはシャディクくんの思惑ほど地球の勢力が賢くなかったという事なのか…とか。

その辺りの疑問には一応設定上の答えがあるんだろうなとは思います。
でもそういう政治部分をばっさり省略し、家族、友情、恋愛…そういう個人的な人間関係を
あくまで中心にして締めたのがすごいですよね〜!!私は好きな大胆さです!!

普通は4クールかけるガンダムで、2クールで決着をつけられる範囲だけに狙いを定めて走り抜けた疾走感!
それがこの水星の魔女の最大の特徴であり面白さだったと私は思います。
もっとじっくり4クールやってほしかったって声もよく聞きますが、
私は同じ内容で4クールやってたら薄味になったというか、粗が余計目立ったんじゃないかと思いますね。
2クールのスピードで終わらせる事に特化した登場人物配置と広く浅い世界観だったと思うので。
この勢いがあったからこそ生まれた所謂「シリアスなギャグ」的な面白さもあると思うし。

物語全体を振り返ってみると、そんなに風呂敷も広げてないしまとめ方自体もめちゃくちゃ無難なんだけど、
とにかく1話ごとの情報開示の仕方や人間関係でこちらを振り回し飽きさせないっていう作劇そのものが楽しい、
リアタイし甲斐しかないテレビアニメでした。


今作のシリーズ構成の大河内一楼さんが同じくシリーズ構成を務めた『コードギアス 反逆のルルーシュ』も
リアルタイムでハマってたんですけど、個人的には過去作のガンダムよりそっちと比較する事の方が多かったかもしれないです。

コードギアスはR2の終盤放送当時に「キャラ多すぎて持て余してんな…」と感じ、
個人的に期待してた星刻やジノが微妙な存在感だった事にはまあまあがっかりした記憶があるのですが…
水星の魔女は本筋に絡む個別の活躍がありそうな(あるべき)キャラとなさそうな(なくても別にいい)キャラが
何となくわかりやすかったような気がしました。上手くは説明できませんが…
コードギアスの時のように「このキャラ勿体ぶった割に微妙な役割だったな!?」って
ズコー!!するストレスがほぼなかったように思います。

2クールで終わるスピードで話進めてるのがわかるから、「このキャラのこのポテンシャル触れるのかな?
触れないのかな?あっ今触れないならもう触れる気ないな!!よし次!!」みたいに、
余計な期待をせずに済む明快さがあったというか。
シーズン1でもスレッタとミオリネが喧嘩してから仲直りするまで早かったし、
シーズン2でもグエルがスレッタに改めて告白してちゃんとフラれとくってくだりを再会してからさっさとやったし。
勿体ぶらずサクサクとキャラを動かすから、安心して信頼して見ていられたんですよね。
(勿体ぶるタイプのアニメのギャンブル感もそれはそれで楽しいんですけど)

だからやっぱ、私としては水星の魔女は2クールだからこその面白さに特化したすごいアニメだったという感想になりますね~。


本当に毎週情緒をめちゃくちゃにされて楽しかったです!!楽しいジェットコースターでした…
「テレビアニメの感想は無理に毎週は書かない」を信条としている私が結局自然に全24話分書いてしまったのもすごい事です…
ありがとう水星の魔女!!!!関わった全てのスタッフの皆さん、ありがとうございました!!お疲れ様でした!!

あとこれ挟める文脈なかったもののどうしても言いたいんだけど…
セセリアが最後まで「有能で冷静で責任感があるけど他人を煽るのが大好きなだけのただの学生」だったの最高でした!!!!


g-witch.net

アス高全校集会のチケットも買ってるんで、最後の賑やかしも楽しみたいと思います!!
わ~い!!古川慎さんが生で拝めるぞ!!!