えきふの夢

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シャディクくんの望みの果て 機動戦士ガンダム 水星の魔女 20話感想

機動戦士ガンダム 水星の魔女 20話「望みの果て」感想


「シャディクくん(推し)のMS戦また見たいけど、本人のタイプ的に決闘か追い詰められないと自ら出撃してこないのでは?」
と考えていたら、追い詰められたので出撃してきました!!

グエルくんが学園レギュレーションのダリルバルデで実戦仕様のMS2体に勝ててる事に関しては、
あの…おかしいのはどちらかというと彼の天賦の才の方なので…
グエルくんの最強伝説は今に始まった事ではないので横に置いときましょう!!

当ブログとしてここで特筆して賞賛すべきは、
そのグエルくん相手にシャディクくんとミカエリスがなかなか健闘した事ですよ!!

レギュレーションのハンデがあってサビーナの手助けもあったとはいえ…ちゃんとダリルバルデのコックピットを破壊して
「刺し違えた」と言えるような段階まで持っていっているんですよ!!すごくないですか?!?!?
(その爆発するコックピットから素早く脱出するグエルくんが一番すごい事も横に置いといてください)


いや〜シャディクくん、9話見た感じだと得意なのはタイマンよりはチーム戦っぽかったし、
最強のグエルくん相手じゃ6人全員でかかってやっと勝負になるのかな…ってイメージしてました!!!
ナメてましたごめんなさい!!!!やるじゃん!!!!

今回披露されたミカエリスの新装備と、そして騎士のような外見とは程遠い凶暴な格闘技がめちゃくちゃ良かった…
ミカエリスってがっつり格闘タイプなところが策士キャラなシャディクくんとのギャップもあっていいですよね〜。
(遠距離ネチネチタイプはファラクトの芸風なので個性の差別化もあるんでしょうが)
今回は特にビームブレイサーでダリルバルデの装甲を食い破るアクションが素晴らしかったです!!まさに獲物に食らいつく蛇!!!
シャディク・ゼネリの内なる蛇の象徴、醜く悲しいジレンマの象徴としてこの上ない使い方でした!

グエルくんに「お前のこと気に入ってるんだ」って以前言ってたシャディクくんが「昔から嫌いだった!」って
感情をぶつけてきたのも、尊敬の気持ちも嫉妬する気持ちも両方あったんだろうなと感じさせて良かったですね。
(でもミオリネの事は嫉妬なしで全面的に好きそうなのが面白いところ)

本当によかったよかった…ミカエリスが最後にちょっとカッコイイところ見せてくれて。
9話の敗北もあれはあれで芸術的で素晴らしかったけど、あれで終わりじゃ流石に寂しかったですからねw
私としてはもう満足です!


さて、グエルくんとの一騎打ち(with サビーナ)に敗れてついに捕まってしまったシャディクくん一派。
いろいろ手を組んでても彼ら自身はたった6人の勢力なので、追い詰められるとあっという間で切ない。

野望潰えたり…かと思いきや学園でノレアに虐殺をさせた事でベネリットグループの支配体制を揺るがす爪痕は残せたっぽい。
自分が支配者になりたいとか助かりたいとかが一番の目的じゃないので、最悪自分が負けてもよかったんですね…。
現行ルートがダメだった時の保険を常に用意しているところはかなり真面目というか、冷酷な堅実さですよね。
あれは保険というよりは最後の悪あがきというべきかもですが。

当初思い描いていた一番穏便だったグループ解体計画からはどんどん流れる血が増えていった結果なんでしょうが、
それでも実行できる覚悟が恐ろしい…

ノレアを暴れさせる事は、ノレアのその時の気分にかかってない?
もし憔悴しきって暴れる元気もなくなってたらダメなんじゃ?って気もしますが、
ノレアのスペーシアンに対する憎悪は彼にとっても他人事じゃないでしょうし、
そう簡単に殺意を捨てられるわけがない、絶対に殺さずにはいられないはず…っていうある種の信頼があったのかも。
もしかして軟禁部屋でニュース流れてたのも煽るためにわざと流した?だとしたらえげつねぇ…


これで、シャディクくんが歩む修羅の道はひとまずの終わりを迎えてしまいました!!
これまでその果てにはどんな景色があるんだろうと見守ってきましたが、いやぁ、なかなか救いようのない終着点でした…。

振り返ってみると、彼は一貫して「他人や不確実なものを信じない人物」として描写されていたと思います。
それが合理的な信念のようでもあり、悲しい呪いのようでもあった……そんな感じ。

やってる事が基本的に裏工作、奇襲、捨て駒だったのも、本当に他人や不確実を信じてないからこそのやり方っていうか。
自分が表に立って大義を主張したうえで革命をやるとかはしないんですよね。
こうすれば絶対俺が支持される!!みたいな自信を感じない。たぶんカリスマ性はないタイプ…。
だからこそ、なんか天然のカリスマオーラ(?)はあるグエルくんが眩しかったのかも…。


それに、憎悪もその「信じない」って姿勢と強く結びついていたのかな~って。

スペーシアンとアーシアンの力関係の格差を解消したいという彼の最終目標自体はあの世界に必要な事だとは思いますが、
彼がとる手段がやったら両者の憎悪を煽るものばかりになったのは、結局のところ彼の心の根底には憎しみがあって、
ニカが願うような融和路線を選択肢にする事はどうしてもできなかったんでしょうかね。

ヴィムを陥れる瞬間にニヤリと笑ったりとか、サリウスに「俺を拾ってくれてありがとう」と勝ち誇ったりとか、
相手(あるいは相手の持つ力そのもの)に対する憎しみがなきゃできない事ですよね~…


他人や不確実なものを信じないし、スペーシアンが憎いから、「奪う者」にしかなれなかったんでしょうか。

こういう人間だからこういう生き方になったんだろうな…っていうのがめちゃくちゃ納得できる、
悲しくも一貫した、素晴らしいキャラクター描写だったと思います。


素晴らしいけど……なんか……なんか思ってたよりやるせない気持ちなんですけど今!?!?
「やり切ったねシャディクくん!いい散りっぷり!!」って感じではない……ミカエリスでの戦いっぷりは素直に良かったけども!!

なんでだろう…?やっぱシャディクくんが野心家キャラとしてはあんまりイキり散らしてない方で、楽しくなさそうだったから?
自分の罪も罪として受け止めてるし、こう…勝っても負けてもどっちにしろ別にハッピーにはなれない感じ…??
結局誰も信じてなくて、自分にすら自信がなさそうなままだからかな……

nagatsukiekifu.hatenablog.com

ミオリネに対しての後方騎士面だけは謎の自信でイキり散らしてて
そこは見てるこっちも安心して(?)キャッキャできるんですけどね!?!?


話全体のテーマ的には、彼が「誰も信じない」ままだった事って、結構悲しい事だと思うんですよね、やっぱ…
そこがきっとミオリネにとって、彼のどうしても好きになれなかった部分でもあるんでしょうし…

だからせめて、あの世界が彼が少しでも希望を信じられる世界になってくれたらと願います!!
いやあの状況からどう好転すんだよって感じだけど……最終的にね!!!!

あとミオリネの後方騎士面はキショくて面白くて好きだけどこれも番組終わるまでには頑張って卒業してほしいです!!!!!!
ミオリネと健全に向き合いたいならいい加減やめた方がいいってその偶像的なお姫様扱いは!!!!!