えきふの夢

アニメ・マンガ・ゲームの感想や萌え語りを書いたりしてます。

ファイアーエムブレム無双 風花雪月 青燐の章クリア感想

青燐の章クリアしました~!やっと1周!!


ここまででプレイ時間69時間。
無双はそんなに時間かからないかと思いきや、1周するのに原作と同じくらいかかってる…。

難易度はノーマル、モードはクラシックでやりました!
仲間死んだらリセット覚悟でクラシックで挑んでみましたが、案外一度も死なずにクリアまで行けましたね。
灰色の悪魔さんと遭遇するステージで深追いすると死にかけたりはしたものの、結構大丈夫でした。

以下、細かい感想。


ストーリーやキャラクター描写について

闇堕ちしたり拗らせたりしてる場合じゃなくなった青獅子の学級の物語

無双のディミトリは「闇堕ちするタイミングを逃したまま王になった」という感じ。
じゃあめっちゃ健全な心持ちなのかというと全然そんな事はなく、原作ではあまり触れられずに終わった
ダスカーの悲劇に加担した王国内の裏切者に向き合わなきゃいけなくなって、原作とは別の辛さを味わう事になる。

公式サイトのキャラ紹介分の「必要ならば己の優しさを殺すことすら厭わない」
プレイ前に見た時はディミトリってそんなキャラだっけ?と思いましたが、
実際にプレイしてみたら無双の彼が抱える生き辛さは確かにそんな感じでした。
本当は戦いたくないのに戦わなきゃいけない。殺さなきゃいけない。そんな感じ。

闇堕ちでブチギレる事もできず自分の怪物性を必死に閉じ込めたまま、
それでもちょいちょい漏れるそれを周囲に怖がられるというのもそれはそれで辛そうでした。

やっぱディミトリたるもの、生き辛くないとな!!!!!


青獅子の学級の他の面々も、原作の妬憎殺みたいな闇フェイズも特に経ず王国の危機に諸侯嫡子として真面目に働きますが、
それはそれで「拗らせる間もなく大人にならざるを得なかった」悲しみも感じさせました。

原作と比べて一番真面目さを前面に出すようになったシルヴァンのこの言葉にその辺が集約されてますね。

彼らが拗らせて自分の個人的な悩みや葛藤と向き合う事ができたのも、
学生時代というモラトリアムがあったからこそだったんだな~…。

士官学校が中止になってまともな学生生活を送れなかったっていう無双の設定でこそ見られる、彼らの新しい一面が見られましたね。


…って書いてみたら、新しい一面とか言って悲しい部分辛い部分にしか触れてないな…。


えっと、もちろん無双で初めて見られたいいところもいっぱいあったんですよ!?

まともに王様をやるディミトリ、まともにそれぞれの領地の将として働くみんなは原作では見られなかったものなので
(原作でも紅花の章で近い立場ではあるけど、バトルだけの出番なので詳しい描写はない)
新鮮でありがたかったし、みんな立派でかっこいいな~!って思いましたよ!

フェリクスは侯爵継ぐし、イングリットはダスカー将に槍を教えたりするし、
ロドリグは生き残ってプレイアブルになったうえ親世代の面白思い出話いっぱいしてくれるし…
シルヴァンの無双でのチャラさと真面目さの出力のバランスも個人的にかなり好きでした。
新しい生き辛さもあれば、新しい前向きさもある!!


でもまあ、生き辛さがあってこその青獅子の学級だとも思うので
みんなの抱える悲しみや辛さをなくなった方がいい悪いものだって思ってるわけじゃないんですけどね。

原作でも無双でも、青獅子の学級のストーリーは
「生きるのが辛くてもいいし、辛いまま生きていてもいいんだよ」って優しさのあるお話だと思っていますから。


そしてなんだかんだで無双のディミトリの物語も「復讐」がキーワードなのが良かったです。

ダスカーの悲劇の真実を明かす事だってディミトリにとっての「復讐」だし、
そして「復讐」とは感情的になって犯す過ちとかじゃなくて、あくまで「正義」を貫く手段。

原作とは違う運命であっても、ディミトリの高潔な信念はそのままでしたね。


ストーリー全体の流れで見ると、終盤は少し消化試合感があったのでディミトリや王国の物語としては
中盤までの王国内で争ったりマイクランまわりの話をやってる時がメインディッシュって感じだったかな。


無双でも絶好調に通常運転なドゥドゥー(推し)

原作と違う一面が見られたりした青獅子の学級の面々ですが、私の推しであるドゥドゥーくんはあまり変わらなかったかも。
彼の安定安心ディミトリ大好き人間っぷりは健在でした。

遠乗りに連れて行っても案の定ディミトリの話ばっかするし、ドゥドゥーの夢女は秒でディミトリに敗北する他ありません。

もう私帰るからディミトリと遠乗り行けよお前!!!!!!

…まあ、そういうところが好きなんですけどねw


中盤のムービーでは「ディミトリの前に跪いてアラドヴァルを差し出すドゥドゥー」とかいう
主従関係の萌えが全部詰まったみたいな構図も見せつけてくれました。おいおい最高か???

ディミトリが一人で死のうとする事だけには従わない、ただ忠実な従者ではない頑固な友人としての意見もする良いシーンでしたね。
ていうか今作のイベントムービー、カメラアングルもキャラの芝居もめっちゃ凝っててすごく良いですね。
サンジゲンさんには申し訳ないけど、原作のセルアニメ風ムービーが実はそこまで好きじゃなかったのでこっちの作風の方が好みかな…)


支援会話で特に好きなのはディミトリ、アネット、シルヴァンとのものですかね。

まあディミトリとの支援会話が良いのは当たり前のことなのですが…
原作での二人の死と別れも思い出させるような内容で、違うのは運命だけでこの二人は変わらないんだなと…。


アネットとの会話で紋章の力を羨むドゥドゥーも、原作の紅花の章での魔獣化の説得力を
強化するようなところがあって、スタッフ絶対わかって書いてるだろ!!と思いましたね…w(いいぞそういうの!)


シルヴァンとの会話は原作のものも地味にすごく好きだったので
今作もどんな内容かなと地味に期待してたらやはりめちゃくちゃ良く、うっかり泣きました。

なんかさ、原作でもペアエンドがなくてお互いの人生に別に干渉はしないけど、
ただ自然に軽口を叩きあえる友人関係を築いてていいんですよね、ドゥドゥーとシルヴァン…。
ドゥドゥーの激重従者っぷりもシルヴァンの心の闇も表出してこない関係性だから、すげぇさっぱりしてるというか…。
そんな…長期テレビアニメの本筋と関係ない神日常回みたいな(?)読後感の良さがあるんですよね。


あとドゥドゥー関連で地味に嬉しかったのはメインストーリーにちゃんと絡む台詞があった事ですかね!

原作だと外伝やり忘れただけでストーリー上強制ロストするキャラだったからか、
生存させて仲間にした後もなんかこう…メインストーリー上はいてもいなくても差し障りない程度の存在感だったような…。
プレイ当時にギルベルトの台詞を少しでいいから分けてくれよって思っていた記憶がありますし、
実はやっぱり死んでてディミトリと先生だけに見えてるイマジナリードゥドゥーなのでは…と不安になった程でした。

無双だとディミトリと引き離されずちゃんと王の従者としてキャリア積んでた分、
メインストーリーでディミトリから指示を受ける会話があって、
他のキャラからも言及される台詞が確かあったと思うし、バリバリに存在感を放っていました。
本当に嬉しかったです。


灰色の悪魔さんは期待していたより本筋に関わってこなかった

灰色の悪魔さんは敵!と言うものの、VSと言いながら最終的に共闘するスーパー戦隊VS映画みたいになるんじゃないの~??と
疑っていたらやっぱり味方にできました!!でも思っていたよりあっさり味方になったな…という感想。
記憶を失っていない?怖いソティスが出てきた辺りが本筋における存在感のピークでした。(ソティスはその後出てこない)

まあ…なんかヤバイ女神パワーを持っていても、無双の彼女/彼は立場的にはただの傭兵に過ぎないからなぁ…。
敵ならいっそラスボスになっちゃうか!?と期待もしてみましたが難しかったようです。
味方にしてみた感じ、「原作と違って何者にもならなかったベレス/ベレト」って印象でした。


12章の分岐は戦いを避けて味方にするルートと倒すルートに分かれるんですかね?

こうなると倒すルートも気になってきましたが、味方にした後の全体の章数(17章)を見ると
倒すルート(仮)でも分岐してから長そうだからちょっとめんどくさいかも…w
どうしても気になったらやってみようと思います。


支援システムについて

自由度や恋愛要素が減ったけどこれはこれですごく良い

1周クリアしてみたら、今作の支援システムが原作と結構違いましたね!!


まずペアエンド(後日談)と恋愛要素がない。

ペアエンドは主人公(と選ぶ相手)含めてありません。
原作での未来を望む相手に渡す指輪に近い立ち位置の「傭兵の呼び笛」も主人公と相手の性別関係なしに渡せるので、
渡した相手と結婚(恋愛)はしないという。エンディング後にメッセージがもらえるのみ。友情エンド的な?

原作で結婚できたキャラ同士で支援Aまで行っても、支援会話で恋愛関係の話にはなりません。


次に、支援会話で他の仲間に言及する内容や所属勢力を限定した内容が増えたっぽい。

特定のキャラ同士の支援会話で起こった事が他のキャラ同士の支援会話で言及されるから、
この支援Bを見てから別の支援Bが開放される、とかがあるんですよね。
その支援会話に登場しない同じ学級(国)の仲間についても言及されたりとか。
支援会話同士でちゃんと話がつながるようになっている。

それにスカウトできる他学級のキャラの一部も、主人公との支援会話が元々の学級のルートでしか見られないとか。
そもそも敵対国のスカウト不可キャラが増えてたりとか。
特定の勢力に属するルートでないと見られない支援会話が原作より増えてるような気がします。


この辺の仕様変更は思い切りましたね~!それでいて良い判断だと思いました。

原作で自由な組み合わせで結婚等が見られたのは確かに面白かったんですが、
仲間たちをよかれと思ってみんな支援Aにするとみんな何股もかけだすとか、
「お前が一番大切だよ」みたいな事を複数人に言うとかで、学級の風紀が大変に乱れるというか、
Aまで進めるのは推しカプ(コンビ)だけに調整しないと人間関係に矛盾が生じてしまう仕様だったんですよね。

それに、どのルートでもスカウトできるキャラの支援会話はどの立場でも成立するように
そこらへん当たり障りのない内容にしなきゃいけないって制約もあったんじゃないかと思います。


無双では、キャラクターの人間関係や立場をある程度固定して自由度を減らす代わりに、
恋愛(あるいは「お前が一番大切」)とは限らない関係性や、矛盾のない横のつながりを掘り下げる事に
特化したのかなという印象です。

この試みは原作にはなかった角度からキャラクター達の人となりを楽しめてすごく良かったです。
原作で自由度の高い人間関係や恋愛要素を既に十分やったからこそできた事って感じですかね。
原作の焼き直しにならないようにしようという工夫が感じられますね~。

ゲーム的にも、ペアエンドを意識した支援値の調整が若干面倒なところがあったので
キャラクターを浮気者にする心配なくどんどん支援値上げて支援会話見ていいっていうのは安心できますw


推しカプ(コンビ)を邪魔しない傭兵の呼び笛

傭兵の呼び笛も推しカプ(コンビ)を気にせず素直にプレイヤーが一番好きなキャラに渡してよさそうだと
わかったのはほっとしました…。

私はドゥドゥー推しなんですけど、やはりディミトリが好きすぎる彼が好きなので、
彼がディミトリよりも主人公の方が大切みたいになるのが嫌でして…原作でも指輪を渡してないんですよ。
だから今作もプレイヤーとしては笛渡したいけどペアエンドになっちゃったらやだな~って、めちゃくちゃ悩んじゃって…。

じゃあ「快刀乱麻」のスキルが普通に最強で欲しいシルヴァンにするか…
いやしかし…スキル目当てとか、そんな紋章目当てみたいな事をシルヴァンにするのは罪悪感が…と葛藤し…

葛藤した果てに普通に女性キャラで一番好きなシャミアさんにあげましたが…
別にドゥドゥーにあげても問題なさそうな感じでしたね!ペアエンドにはならないので。


あとなんだろう、一生のパートナーになろうぜ…みたいなオチじゃない分
「マジで本気で好きなキャラにしか渡しちゃいけない」感がなくて、
どんな手紙くれるか気になる~程度の気持ちで渡してもよさそうなのが気持ち的に楽かな。

ドゥドゥー相手もあとで別データで試して、2周目以降も気楽に相手を選ぼうと思います!!
スキル目当てはやっぱ申し訳ないからやめとこうと思うけど…w


「原作の焼き直しではない、もうひとつの可能性」としてちゃんと楽しい

そんなわけでFE無双風花雪月、楽しめてます!!!

ストーリーでも、支援まわりのシステムでも、「原作の焼き直しになるような事はやらない」
「あくまで原作のキャラや世界観のまだ使ってなかったポテンシャルを活かす」っていう、
原作とは違う角度の面白さにこだわって作っているんじゃないかなと、1周してみて感じる事ができました。
面白さに一定以上の信頼が置けそうです。

次に赤焔と黄燎どっち行くか悩んでますが、残り2周(実はもっとあるかもしれない…)もがんばりま~す!!