えきふの夢

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イナズマイレブン アレスの天秤 23話感想

イナズマイレブン アレスの天秤 23話「伝説を乗り越えろ!」感想


円堂率いる利根川東泉との決着回!

まず前回の感想で「駆け足展開に不安になった次の週はたいてい手放しで褒める」と予想したことですが…
そんな「めっちゃ」って程じゃなかったけど普通に熱くていい回でしたね!「立ちあがリーヨ」も良かったし、
ファイアトルネードからのイナビカリダッシュからのファイアレモネード改めバックドラフトが良かったです。
ついにやったね剛陣先輩!!!これもオーバーライドなんでしょうか。
ていうかオーバーライドって6話で豪炎寺が言及して以来全然固有名詞として出てこないんですけど、
設定は生きてるんですよね…??豪炎寺が一人で勝手に言ってる用語じゃないよね…??

オーバーライドの設定はシュートチェインだけじゃないってところがかっこよくて好きなので、もっと見たいですね~。
王帝月ノ宮戦でも見られる事を期待しています。
キーパー技からも繋げて、なんとか野坂と西蔭で合体技やってくれませんかねぇ~??流石に無理かな…w


…以上が今回の試合自体の軽めな感想でした。


さて、以下は…

もはやBパートの最後で爆弾を落としていくのが持ち芸と化してきた野坂に関してなんですが……。


野坂の進む道を、野坂を想うがゆえに肯定してきた西蔭と、野坂を想うがゆえに否定する杏奈…。
もはやヒロイン対決ともとれる対比の構図が確立され、二人の姿勢は野坂を巡る泥沼の三角関係の様相を呈してきました。
その実、この三人の間に起こっている事は誰も悪くない悲しいすれ違いなんですよね。
この人間関係の構図はすごく面白いです。すごく面白いですけど色んな意味でしんどいです。


だって……今……西蔭の人生が一番報われてない……。

西蔭の人生報われてない度が瞬間最大値を記録している……。


やっぱり私は西蔭至上主義なので全面的に西蔭に感情移入してしまうのです…。
野坂が苦しみを誰にも吐けなくて、杏奈の存在に密かに弱みを見せてしまうと、
それに対してなんにもできない西蔭が辛くて悔しくて仕方がないんです…。
結局野坂が自分の道を否定されることに救いを感じてしまうのなら、西蔭のやってきた事は何だったんだと…。
西蔭だって野坂がグリッドオメガを使う時に見せた躊躇いに気づいていたし、
辛そうにしてても、野坂の決断を否定せずにずっと支えてきたのに…。
何があっても野坂について行く事、野坂がやると言えば何も言わずに寄り添う事が
西蔭なりの支え方であり、優しさであり、愛情であり、それは絶対に間違ってないし何も悪くないはずなのに…。

しかし今…野坂の苦しむ姿が、救いを求める姿が、西蔭の選んだ道は間違いだったのではないか?
と、残酷に突きつけてくるのです…。

野坂さんは正しいですとずっと肯定し続けた果てに、野坂は自分ではなく関係ない他校の女に苦しみを明かした。
つまり、西蔭的には野坂さんに話してもらえなかった俺は、信じてもらえなかった、
頼ってもらえなかった俺は間違っていたというのか……
って……なるじゃん……????

そこまで明確に自覚しているかはわからないけど…とにかく今西蔭のプライドはズタズタなわけじゃないですか??
「野坂さんをお支えする立場」…お支えできているという強い自負…一番の理解者であるという誇り…


ぜ~~んぶズッタズタに引き裂かれてるんじゃないですかね!?!?!?!今!?!?!?!

西蔭政也の人生が全部間違いだったのかもって足元が崩壊寸前なんですよ!?!!今!?!!?


私は好きなキャラが自らの業や宿命に追い詰められてるのを見ると興奮する趣味がありまして、
21話の段階では確かに最高に興奮してたのですが……


今は辛さが完全に勝ってますね!!!!!!!/(^o^)\


だって黙ってるんだもん西蔭が!!!!!!!あんなにキレてたくせに!!!!!!!!!!


西蔭が野坂に詰め寄ったりしてたらまだ明るく興奮できてたんですよ…でも…我慢してるんですよ西蔭は…自分の激しい感情を…。
余分な感情は制御しなきゃいけないものだとこれまで信じてやってきたから…それで強くいられたから…。
心の中に確かにわいた野坂への怒りも疑念も嫉妬も全部押し殺してるわけじゃないですか……野坂のために…。
でも…そうやって沈黙する事が果たして本当に野坂のためになるのか、
きっと西蔭にももうわからなくなってしまってるんじゃないでしょうか…。
実際、黙って近くで寄り添っていた自分に野坂は助けを求めてくれなかったわけですから。
西蔭は今どうすべきか迷っているんじゃないかと思います。一人で抱え込む姿を見るのは辛いですよ…。

どうか何も我慢せずに全てぶちまけてほしいですね……。うん、やっぱり一度ケンカしてほしいな……。


…とまあ、この辺のしんどさは物語に没入して楽しめているって意味のしんどさでもあるんですが。

物語に対する褒め言葉ではない意味のしんどさも残念ながらあるんですよね。
その~…今までずっと思ってたんですけど…野坂と杏奈ちゃんの関係性がすごくぐっと来ないんですよね…。

この二人、個人的に人間ドラマと呼べるほどの関係性が描写されているとは思えなくて…。
14話で野坂が杏奈の事を意識する演出があった時に「え?いつそんな好きになったの?」って首を傾げてしまったんですが、
今回も首を傾げまくってしまいました。杏奈の姿を思い出しながら「これで、最後か…」と言うシーンは恐らく、
好きな女の子に「死ぬほど会いたい」と言う竹見に「でも死んだら会えない」と言ったシーンのアンサーなのでしょう。
次回の野坂が雷門へ行くのも、きっと死ぬ前に杏奈に会いたいと、
「死ぬほど会いたい」と無意識に思ってしまったんじゃないでしょうか。
しかし…それは頭で考えたシナリオ構成の理屈であり…心で感じる部分としては非常にピンと来ない……(´・_・`)

やっぱり杏奈のキャラクターとしての掘り下げが特にないのが私としては一番引っかかってしまう所ですね~。

伊那国雷門を最初は見下していたのがマネージャーになったのも、気付いたらそうなっていたって印象で
特にメンバーと心を通わせた描写を見た覚えがありませんし、そもそも説明解説以外であまり会話もしませんし…。
雷門内にマネージャーとしての強い絆が特に感じられないという段階からして既に残念なんですよね…。
野坂を気にかけるのも、杏奈自身に野坂に執着する理由があるというよりは、
話の都合上野坂に「あなたの生き方は悲しいわ」って言う役割が必要で、彼女がそこに当てはめられてるって印象なんです。
彼女自身に関する掘り下げが特にない状態でいきなりそんな動きをされると、余計役割だけが目立つっていうか…。

神門(=みかど=帝)という名字からも「女帝」と呼ばれるシーンがあった事からも
最初から雷門よりは「戦術の皇帝」たる野坂と絡ませることをメイン目的にしたキャラクターだと思いますし、
その役割に沿った動かし方をされてると思うんですが…。あまりにも役割以外の要素のないキャラクターなんですよね。

そもそも雷門サイドが全体的に駆け足展開の割を食ってキャラクター自身よりも話の都合が目立ってる部分が
結構あるよなぁと感じつつ、ゲームに参加してるキャラはまだサッカーを通じて心を通わした感が出せるのに対して
マネージャーの杏奈はそれもできないので、本当に必要な「台詞」をしゃべっているなとしか思えないんですよ。
杏奈自身の人格や意思が私にはほとんど見えてこないので、なぜ彼女が野坂に惹かれるのか全くわからない…。

そりゃあフィクションのキャラクターなんてたいがい話の都合や役割から先に創作されるものですが、
生きた意思が先にある人間として見せてほしいし、そう見えるから物語って楽しいんじゃないですか…。
神門杏奈っていうキャラクターを構成する要素の「話の都合」の割合が私の許せる範囲をぶっちぎりで超えてるのが
本当に残念なんです。キャラクター自体は別に嫌いとかではないんですが…。

野坂の方が杏奈に惹かれる理由に関しては、流石に野坂はどんな意思を持ってるキャラなのか描写されてるので
ある程度は考えられるんですが…それでもピンと来ないんですよね。杏奈側の描写があまりにもないせいでしょうか。
どんな意思を持ってるかもよくわからない人物に惹かれる人間関係を面白いと感じる事は私には難しいですね…。

しかし、どれだけ私が面白みを感じられなくてもストーリー上「この二人は惹かれあってます」って体で進んでしまった以上、
今後のオリオンの刻印でも野坂と杏奈がいいムードになったりならなかったりするシーンがあるんでしょうねぇ。
土台である今作の段階でここまで残念な関係性の立ち上げを見てしまうと、
絡みがある度にモヤッとしてしまいそうでそこは憂鬱なところですね…。引きずりそうなダメージですよこれは…。

ほんと、野坂と西蔭と杏奈の三角関係自体はすごく面白いと思うんですけどね~…。
しかも野坂は灰崎と茜とも別に三角関係作ってて三角が二つ重なってラムセウムテンティリスかよっていう
ほとんどギャグみたいなドロドロ構図っぷりはすごく面白くて好きなんですけど。
やっぱり杏奈の描写が残念すぎますねぇ…。


長々と文句を言ってしまいましたが…
野坂と杏奈ちゃんの絡みが気に入らないのは要はお前が西蔭至上主義者だからだろ??」って言われますと、
まあそれも確かにあるんですけどとしか言いようがないですね…ハハハ…。

でも、もし野坂と杏奈の関係性がまともに描かれていればちょっとキ~~ッ!!って言うくらいで済んでたと思いますよ。
やっぱり一番モヤモヤしちゃってるのは、私が最ッ高に面白いと感じている西蔭との関係性と
ストーリー上同格に扱われている杏奈との関係性の完成度がかなり低い事に対してだと思います…。

こういう三角関係的なので個人的に真っ先に思い出すのが『BLOOD+』の主人公小夜が
百年以上自分を慕う従者であるハジと血の繋がらない家族であるカイのどちらと結ばれるのかハラハラした日々なんですけど…
そして私は断然ハジ派だったんですけど…(13年前から従者の方を推すタイプ)
別にハジがいいからってカイとの関係がいかに残念かを長々語ったりしませんでしたもん…。
カイとの関係も大切だってちゃんと描写されましたからね…やっぱ描写…描写が大事なんだようんうん…。
あれは結局どちらを選ぶとかじゃない、いいとこどりのいい感じに終わりましたしね…。(って話題がズレてきた…)

まあ、野坂の問題も西蔭と杏奈のどっちが正しいとかどっちを選ぶべきとかそういう話じゃないと思うんですけど…(・∀・;)

しかし、西蔭贔屓としても、普通に面白い話が見たいいちアニメ視聴者としても、
この辺の問題を解決する最後の一歩を踏み出すのは西蔭であってほしいな~って思いますね。
やっぱり野坂と西蔭の関係って一度壊れないといけないものだと思いますし、
それを乗り越えたら二人は今度こそ「親友」になれると思うんですよ。

次回からいよいよクライマックスの王帝月ノ宮戦ですね。
日野社長はハッピーエンドを約束していますが、それがご都合主義じゃなくて素直に感動できるものである事を願います。