えきふの夢

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椎名高志先生によるパーフェクト殺りんを見てください 半妖の夜叉姫 漫画版

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アニメオリジナル作品『半妖の夜叉姫』のコミカライズ版、『~異伝・絵本草子~ 半妖の夜叉姫』
今までブログに感想は書いていませんでしたが、単行本を買って追ってました。
この最終10巻が先日発売されたんですけども……その大団円の素晴らしさたるや!!!!!

犬夜叉に続編いらなくない?」「殺りんは好きだけど公式で見たくはなくない?」
そう思っていたのに…もう…スタンディングオベーション!!!!

以下感想です。


まず私は小学生の頃に『犬夜叉』の原作とアニメを見ていたドンピシャリアタイ世代。
テレビアニメ『半妖の夜叉姫』が最初に発表された時は犬夜叉に続編は蛇足じゃね?」と不安にしかならなかった。
犬夜叉とかごめ、殺生丸とりんがその後どう幸せになれるかはファンの想像に委ねられていたのに、
そのファンの夢を壊してハッピーエンドを覆してまで続編作る意義なんてあるのかと。
だから怖くて見てなかったし、なんだか評判もあまり良くなかった気がする。
しかし『絶対可憐チルドレン』が魂に刻まれた人間でもあった私。
椎名高志先生がコミカライズ版を描くと聞いて、読むしかなくなってしまった。

くっ…ま…まあ…椎名先生なら流石に絶対大丈夫でしょうよ!!!絶対可憐!!だから負けない!!!と恐る恐る読んだら……

大丈夫だったんですよ…!!!!めちゃくちゃ大丈夫だったんですよ……!!!!!


犬夜叉の続編をやる意義」「ハッピーエンドを覆す意義」「ファンの想像に踏み込む意義」に、
椎名先生はかなり真摯に向き合われたのだろうと感じられました。

大筋自体はテレビアニメ版から外れないようにしたらしいんですが、
犬夜叉の後日譚」としてのディテールは椎名先生がかなりアレンジを加えた部分との事。
特に草太の立ち位置の独自性が強いようです。

原作で子供だった草太が大人になって犬夜叉への憧れを懐かしむ姿が、まさに子供の頃犬夜叉が好きだった読者と重なってですね…
戦国の世界(我々読者にとってはフィクションの世界でもある)に行けない立場なりに色々がんばってるのがもう…いちいち泣ける!
そんな草太に託されたものを、夜叉姫たちを通して戦国で生きる事にしたかごめがしっかり受け取るから、
二つの世界の家族は二度会えなくてもちゃんと愛で繋がっているんだ…と前向きに感じられる。

犬夜叉のラストでかごめが犬夜叉と結ばれたのはハッピーだったけど、
現代の家族や友人と二度と会えないのはそれはそれで辛いなぁ…と寂しく思っていた部分でもあったので、
それでも愛は伝わるんだよ!って愛に満ちたフォローが入ったのは個人的にはかなり救われましたね。


そして何と言っても、椎名先生によるパーフェクト殺りん。

原作当時から殺生丸とりんの関係は大変ドキドキしていました。いわゆる「おにロリ」の原体験だったのではないかと思います。
りんが大人になったら殺生丸と結ばれてほしいなぁとぼんやり想像もしていました。
ただ、繰り返しますが…そこはあくまでファンが各々勝手に想像する領分だと思っていたっていうか。
原作劇中で犬夜叉とちゃんと恋仲になってたかごめはともかく、
まだ幼いりんは恋仲になる段階ですらなく「将来殺生丸と生きる道も選べる」描写で終わりだったんです。
そんなりんを段階すっ飛ばして二世モノの母親役にすると。
一度想像に委ねたはずの未来を確定させる…そんな、言ってしまえば乱暴な行いは、
よっぽど意義があって面白いものでなければ許されないわけですよ!!!


……よっぽど意義があって面白かったんですよね〜〜、これが!!!!!


特に4巻の、椎名高志先生が高橋留美子先生と入念な打ち合わせをしたうえで描き上げたという渾身の「契り」シーン。

短い場面ながらも、ちゃんとりんが母親になる前、まず大人になって殺生丸との関係が変わっていく段階が描かれてる!
そしてラブシーンなんだけど性的な描写では全然なくて殺生丸のりんへのアプローチがなんかよくわからんファンタジーという。
妖怪と人間が結ばれるっていうのはなんかこう…神話とか御伽噺の世界なんだよ!!って表現がほんと素晴らしい。
公式メディアとしてお出しする意義のある表現だな~と!!普通にエッチな事するならPixivで十分ですからね!!

しかも殺生丸が「とこしえに慈しむと誓おう」とかめちゃくちゃロマンチックな言葉を並べてるのに
よく見なくても愛の言葉がほぼ全部モノローグっていうねwww 発声だともう「りん」くらいしか喋ってない。
殺生丸さまの言葉少なさは夫や父親になったくらいじゃ変わらないという安心感(?)!クソマイペースという名の気高さ!!
普通に話すとか普通に愛するとか普通に暮らすとか、そういう現実感を超越した美しさを持った存在としての「妖怪」
フィクションの世界。全体を一貫して殺生丸がそういう象徴として機能していましたね。素晴らしい殺生丸観でした。

あと絶チルファンとしては、そういう殺生丸を邪見が「いつまでも大きな子供、気まぐれな山犬」と評した上で
美しいと感じていたと語る場面が絶チルの真木から兵部への気持ちとも重なってニヤリとできましたねw
邪見と真木って仲間(?)だったんだ…!?って驚きもありつつ納得しかないww


終盤も、『犬夜叉』『半妖の夜叉姫』での全ての出会いや縁を肯定し祝福するような、見事な包括でしたね〜。

というわけで、当初は絶対蛇足だ…と思っていた『半妖の夜叉姫』でしたが、コミカライズ版を読んだだけでも
犬夜叉の続編やって良かったね!!」「公式で殺りん見られて良かったね!!」と
お釣りが5億円返ってくるくらいの結果オーライになったのでした。

アニメ版見てないなりに話を結構コンパクトにまとめたんだろうなと察する話のスピードではありましたが、
犬夜叉』の後日譚として、二つの時代と二つの種族を超えた愛を描いた話として、とても読む意義のあった物語だったなと。
椎名先生の絵柄とSFっぽい理屈とコメディ味も『犬夜叉』の世界と絶妙に共鳴していました。
コミカライズ版を椎名先生が描いてくださって本当に良かったです!!読んで良かった~~!!!


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