機動戦士ガンダム 水星の魔女 9話「あと一歩、キミに踏み出せたなら」感想
いや〜〜〜…
シャディクくんの救いようのない二律背反からの敗北が最高でしたね……
私はこういうね…自分の選んだ生き方で破綻が生じて勝手に破滅してしまうような男が大っっ好きなんですよ！！！！
ミオリネへの恋心は本物だったけど、愛を信じてもらうには汚れすぎてしまったシャディクくん。
「本命には奥手な軟派男」ってキャラクターとしては『マクロスF』のミシェルみたいに
引っ張ってかっこよく告白する路線にもなれそうなのに、そうなる事すらできない奴だったのがすごいですね…。
「素直になれなかっただけの両想い」とかじゃなかったんですよね。
ミオリネに好意に気付かれたうえでとっくに信頼を失っててほぼフラれてて、やっと告白しても既に遅くて。
それもこれも全部自分の生き方のせいっていうところが救いようがない…。
（まあミシェルみたいにミオリネ庇って死ぬポテンシャル自体は今後によってはまだありそうだけどそこは置いといて…）
二人でこっそり事業コンペに参加して怒られたのはなんとなく小学生くらいの頃の話なんじゃないかと想像しますが、
少なくともその頃のミオリネは絶対シャディクを好ましく思っていたはずだし、その思い出を「忘れた」わけないと思うんですよ。
なのに今ミオリネが彼と心の距離を置いているのは、恐らく彼が成長する度だんだんと周囲の嫌いな大人達と同じになっていって、
失望や軽蔑が積み重なっていった結果じゃないですかぁ…。
彼の恋心が報われたかもしれない分岐点はきっとこれまで何度もあったろうに、全部もう通り過ぎちゃったんでしょうね…。
最高だったのは「入るな！あんたは信用できない！」ってミオリネに拒絶された時の、今にも泣きそうな少年の顔ですね！！
そんな顔したってお前はもうさぁ…脅しや取引でしかミオリネに迫れてないじゃん！？！？罵られて当然だよ！！！
「ミオリネのため」をミオリネを置いて勝手に決める事が思い上がり以外の何なのか。
お前のやってる事は子供を道具扱いして支配する大人達と何が違うのか。
とっくに汚れた大人になってしまったのに、恋心だけは純粋な少年のままのつもりでいる…。
その姿があまりにも悲しいし、歪な二面性が美しい！！！
業の深い最高の男じゃないですかシャディク・ゼネリ！？！？！？
よっ！！負けるべくして負けた敗北者！！！！素晴らしい負けヒロイン(男)っぷり！！！！
……
おかしいな…シャディクくんの事もっと大好きになって絶賛してるはずなのに、ほとんど悪口みたいな事しか書いてない……
えっと、そんなわけでシャディクくんのあまりにも美しい破滅には興奮してしまったのですが…
これからどうするつもりなんだろうこいつ…というのは心配なところではあります。
自分の傲慢さや誠意のなさに気付けたのは良かったのかもしれないけど、
そうやって自分の生き方の虚しさを突きつけられてしまって、失恋の傷を負ったまま、
これからも同じように強く狡猾に生きていけるのか…？自分を嫌いにならないでいられるのか…？？
ニカとどういう取引？をしたのかはまだ明かされていないので、そこら辺の計画はこれからも進めていくんだろうけど。
どうなるのかどうするのかわかんないけど、とりあえずシャディクガールズの5人は大事にしてほしいですね！！
あの子ら、彼の強さだけに心酔してるタイプじゃなく、彼の弱さも汚さも含めたありのままを愛してくれてますよね？？
シャディクくんがガールズを抱いてるんじゃなくてむしろシャディクくんがガールズに抱かれてる感じじゃないですか？？(？？)
みんな学年の先輩後輩関係なくシャディクって呼び捨てにしてるっぽいし、
ひょっとしてみんな同じグラスレー社の施設出身の孤児仲間だったりするんでしょうかね？
シャディクくん含めあの6人は今後の展開によっては結構死にそうな気配もしますが…
彼女達がいる限り彼は独りぼっちにはならないと思うので、末永く仲良くしててほしいものです。
そして前回からの予想通り集団戦になったMS戦もめっちゃくちゃ面白かったですね～！！
スレッタとエアリアルの秘密はさり気なくどんどん怖さを増していくし、
この決闘も実はシャディクくんに負けて守ってもらった方がマシだったような事に今後なるのかもしれないけど…
今回の話としてはちゃんと地球寮の友情と信頼の勝利！！って話に気持ちよくまとまってるところが上手いですよねぇ。
プロスペラが泣いてたのは、プロローグのヴァナディース機関襲撃に使われたベギルベウの後継機の
ベギルペンデにエアリアルが圧勝できたからでしょうね。
あの頃のガンダムはアンチドートになすすべなかったわけですから、雪辱を果たせたってところでしょう…夫の仇とも言えますしね。
さて、御三家もみんな倒しちゃったし㈱ガンダムはどうなっていくのか……怖いし楽しみです！！
