えきふの夢

アニメ・マンガ・ゲームの感想や萌え語りを書いたりしてます。

『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』感想: 無限大な夢のあとの完結編

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』観てきました~!


私は小学校低学年の頃に初代『デジモンアドベンチャー』が放送されていたデジモン世代ですが、
放送当時は見てなくて後から一気見したので、初代に対する熱が神格化レベルまでは達していなかったりします。

しかし『セイバーズ』以降のテレビアニメは『クロスウォーズ』『アプリモンスターズ』もリアタイしていますし、
『02』も後から見たので、シリーズファンではあるんじゃないかな~という感じ。

『tri.』シリーズ(見てない)のいい評判を聞いてなかったところにこの映画が発表されて、
「初代ばかり引っぱりすぎなんじゃ…」「懐古主義の老人向け映画なのでは…」って正直特に期待しておらず…。
でも公開されると、そういうあんま期待してなかった層からもいい評判を聞いたので
「へ~面白いんだ!!」と、割と軽い気持ちで劇場に足を運びました。


いや~~…


普通に号泣しましたね……。


animeanime.jp

私が映画を観る前に読んだ監督のインタビューで『02』最終回に繋げるという事がすでに語られていたので、
「パートナーデジモンが消える問題もなんやかんやで大丈夫になるんでしょ~?」ってわかったうえで
今作を観る事になったんですが、それでもベチョベチョに泣いちゃったのですごいです…。
単なる辻褄合わせにはなっていなくて、一本の映画としてとても楽しめました。

アグモンとの別れが、ちゃんと悲しい…。意味のある別れになっている。未来がわかっている事が水を差していなくて、
むしろあれは太一達ががんばって前進した先にある再会だったのだと、『02』の最終回に熱さが補強された。
ぶっちゃけ私は『02』の最終回はあまり好きじゃなかったんですがこれで許せるかもって思えたくらいです。


いや~~あれさぁ…「こいつはこんな仕事に就きました!!こいつと結婚しました!!子供が何人できました!!」って
過程をすっ飛ばして唐突に子供達の確定した未来を具体的かつ矢継ぎ早に語ったのがほんと好きじゃなくて…。
ホビアニにおける子供や若者の将来は多少曖昧さ不確実さを残してくれた方が好きなので…。
遊戯王5D's』とか『キラキラ☆プリキュアアラモード』の最終回くらいが理想的なバランスだと思ってるので…。

今作『LAST EVOLUTION 絆』は、『02』最終回への繋がりを予感させながらもあえて直接的な答えは描写せず
太一達のそこにたどり着くまでの歩みは観客の想像に委ねたところが、本当に絶妙な匙加減で素晴らしかったです。
彼らにとっての未来を「不確かなもの」としたうえで、それを前向きに描いていました。


主題歌「Butter-Fly」の歌詞にある「無限大な夢のあとの何もない世の中」を生きていくこと。
これが物語のテーマの根っことして活かされていたのがすごく良かったですね。

あの歌詞が太一達の物語とリンクしたのはパートナー達と別れた初代の最終回までで、
『02』では普通に再会して大人になってもずっと一緒だという事が示されたので
太一達は結局ずっと「無限大な夢」の中を生きてるんだなぁ~、って歌詞とのリンクが切れた感があったんですよね。

その後の『デジモンクロスウォーズ』の漫画版でタイキがデジタルワールドから元の生活へ戻る決意をした時に
シャウトモンがエールとして贈った歌が「Butter-Fly」で、
まさに「無限大な夢のあとの何もない世の中」を生きていく勇気に満ちた素晴らしい結末だったので
こりゃButter-Flyとのリンク度だと初代超えちまったな…」と思っていたものですが。

この『LAST EVOLUTION 絆』によって、
ようやく初代デジモンがButter-Flyの権威(?)を取り戻したな…」と感慨深くなりました。


アラサーの子供時代の美しい思い出として神格化される立場にある「初代デジモン」が、
思い出の中に閉じこもる事を自ら否定し、前へ進む勇気を説いたうえで
「明日の予定もわからない」という会話で観客にサビの歌詞を思い出させる。

「無限大な夢のあとの~」っていう直接的な台詞はない。エンディングでも「Butter-Fly」は流さない。
でもめちゃくちゃ「Butter-Fly」…。その心の中で聞こえる歌詞が強い説得力を持つ。
すごく好きな表現の仕方でした。


あとは『02』組がすごいウェイウェイしてて楽しそうでシリアスな話の癒し担当だったのがいい味でしたねw
戦闘シーンもちゃんとあって、スティングモンの「賢ちゃん!(イケボ)」があったのも良かったです。

細かいネタだと、ヌメモンがパートナーの子供がいて「まさか"アレ"で立ち向かうつもりか…??」って思ったら
次に映った時に案の定ウンチがそこら中に転がる奮戦のあとが残ってたのも最高でしたw

『tri.』見てなくて困る部分はほぼなくて、ヤマトの「望月!」で
「えっ誰…あっtri.の追加キャラの子か…」って思うくらいでしたね。望月さん、その一瞬で出番終わりますしね。
初代までか『02』まで見た人なら気軽に観に行っていい映画だと思います!!