えきふの夢

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遊戯王ARC-V 114話感想

 

遊戯王ARC-V 114話「闇に輝く超銀河」感想

 
正直、デニスにはもっと消化してほしい因縁があったし(遊矢とかユーリ関連とか)、
もっとたくさん活躍を見たかった。今回の結論に至るまでも、もう少し時間が欲しかった。

でも、今回で確かに答えが出ました。デニス・マックフィールドという人間の答えが。

その答えをこれ以上ないくらい示してくれたのが、今回初めて見せた融合召喚ポーズだと思います。
融合召喚のポーズは両手を合わせるポーズですが、それをデニスがやるのってめちゃめちゃ意味ある事なんですよ。
だってデニスは、生き方の二面性を左右非対称な衣装で象徴しているんですから。
右半身はエンターテイナーのデニス。左半身はアカデミアのデニス。
その素手と手袋を合わせて召喚したのが、Emの融合モンスターなわけで…。

結局、どっちのデニスも本当だったんですよ。どっちかが偽物とかじゃなくて。
デニスはエンターテイナーであり、アカデミアであり続けた。
でもその矛盾した生き方の果てに、どちらにももうなれない、もう戻れない事に気付いてしまった。
その時に涙を流して彼が選んだ結末が、自らの命を絶つ事だったのが……あまりにも悲しすぎました。
(もちろんカード化が元に戻せる事はもうわかっていますが…きっとデニスはそれを知りませんし、
船から身を投げるようにカード化した事からも、本人にとっては自害だったのではないでしょうか。)


いや、私はデニスに(今回で)改心してほしくありませんでしたし、あれが一番彼らしい答えだと思います。
今まで犯してきた多くの罪に無神経でい続けて、自分勝手な快楽を享受してきた事への責任もありますし、
必然的に、彼にはあの結末しか選ぶ事ができなかったと思います。

それでも……それでも……やっぱりこんなの悲しすぎる……。
デニスはそういう風にしか生きられなかったんでしょう。
でも、そういう風にしか生きられなかった事自体が悲しい……。
まだほんの10代の少年が、仲間を持てなかった孤独な少年が、こんな末路を選ぶなんて……。

あの涙には…二つの意味があったんじゃないかと思います。

ひとつめは解放。他人を見下していないと生きていけない事からの。
デニスが優越感を得ようと躍起になっていたのって、結局は「笑えるのは勝者だけ」という
アカデミアの価値観を根っこに持っていたからだったんじゃないかと思います。
エンタメデュエルをしていても、勝たなきゃ認めてもらえないっていう強迫観念に囚われていたのかな…。
負けたって終わりじゃないと遊勝に諭された時、「見下したりなんてしなくていいんだ」って思えたんじゃないでしょうか。

そしてふたつめは…罪の自覚。
アカデミアの呪縛から解放されて、共に手を取り合う事を赦された時…
同時にそれは、自分の罪の大きさに気付いてしまう時でもあったと思うんです。
ず~っと目を逸らして心を痛めないできた罪を、初めて自分のものとして受け入れて…心を痛めたのではないかと。

アカデミアから解き放たれた以上はアカデミアへは帰れない。
自分の罪の大きさを受け入れた以上は遊勝や遊矢の元へは帰れない。

今まで涙を見せなかった、もしかしたら涙を知りすらしなかったデニスが、
泣きボクロ…涙のメイクではない本当の涙を流した時…

救われたけど……救われなかったんですよ……。

カードに写るデニスは……果たして泣いているのでしょうか…笑っているのでしょうか…。