えきふの夢

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イナズマイレブン オリオンの刻印 12話感想

イナズマイレブン オリオンの刻印 12話「一星、最後の選択」感想


西蔭の話す日本語がついに「野坂さん」と「野坂さん」だけに
なるという新たな伝説が誕生した回でした。


いや、でもこれは本当に素晴らしいです。

今回の試合はアレスの天秤からのシリーズにおいて初めての「野坂がスタメンにいるのに西蔭がベンチにいる試合」です。
野坂のためにサッカーを始めた西蔭が、フィールドで野坂を守る事も共に戦う事もできない。
これは西蔭史上すごく重大な出来事なんです。西蔭が正GKでない以上いつか来るだろうと私が覚悟していた日が、ついに来たのです。

見る前は正直不安でした。

いやだって…西蔭オタクの私にとっては重大でも公式が同じ気持ちでいてくれるとは限らないし…。

ちゃんと意味のある事として描写してくれるか不安で不安で仕方ありませんでした。
野坂のいない試合で空気と化してる姿を見るのはいくらでも耐えられるんですけど、
野坂のいる試合でこれまでのように意味もなく空気になられてしまうと、
それだけで西蔭政也のアイデンティティーの死に繋がると言いますか、
キャラクターとして大きなマイナスポイントになってしまうので…。
そんなものを見てしまった日には耐えられる自信がありませんでした。
(前回は試合前に帰ってきたフーハラと野坂さんにタオル渡すシーンがあったのでテンション上がって全然大丈夫だったんですけど)


しかし……西蔭政也はやってくれたのです!!!!!!


あの最初の「野坂さん…」の声を、鈴村健一さんの芝居を聞いただけで、
西蔭は野坂が本調子でない事も、危険を承知の上で策を実行している事も知っていて、
なおかつそれを止めないで見守っている
」というニュアンスを感じ取る事ができる!!!!!!!


そしてそうやって行間を読むことができるのも、
アレス24話で西蔭が野坂の命よりも誇りを守る事を選んだ文脈があるからなんです。
それがあるからこそ、試合前に部屋で二人きりの時とかに作戦内容を野坂に話されてまたかと呆れながらも
やっぱりあなたはちっともブレないな…と惚れ直して覚悟を決めてベンチに座った西蔭の姿を幻視する事ができる!!!!

素晴らしい。これは本当に素晴らしい。


西蔭政也は、たとえフィールドにいなくても野坂さんと共に戦う事ができるのだ!!!!!
命を張った賭けへの覚悟を共有する事によって!!!!!!!!
しかもそれを「野坂さん」しか喋らず野坂との会話も一切ない描写で明示してみせた!!


これはひとえに、西蔭政也の積み重ねられてきたキャラクター性の勝利と言えるでしょう。

よかった…ほんとによかった…今後も野坂の出る試合で西蔭が空気と化す不安が消えたわけじゃないけどさ…。
でも一発目でここまでの楔を打ってくれたなら安心です。これ以上ないくらい西蔭史上重大な意味を持つ試合になっていました。
今回でベンチから見守る事に意味ができたので、今後また空気になったとしても単に出番がなくて私が寂しいってだけでしょう。
アイデンティティーの死の危機は回避されました。西蔭オタクは大満足です。


ただ、一星の問題のひとまずの解決として、チーム全体の信頼関係のエピソードとしてはいまいち気持ちが乗りませんでしたね…。

円堂と野坂が一星を信じる理由は十分わかるので良かったんですけどね~!!
円堂は一星の事情を知る前から馬鹿正直に仲間だと信じていましたし、
野坂は自分と重なる部分を感じて一星が悪人でない可能性に賭けようとしました。二人とも二人らしい理由があります。

でも他のだいたいのみんなが一星を信じたのが、一星のサッカーを愛する気持ちを信じたからというよりは
事情を知って以降同情したからって理由の方が大きく見えてしまって…。
だってみんなが一星のサッカーへの情熱を目にする機会なんて特になかったですからね…。
やっぱ同情で築かれる信頼関係は見てて熱くはなれないな…と。


しかし今回一番違和感を覚えたのは明日人に対してですよ~!!
「やってみなきゃわからない!」とか、あたかも俺はずっと一星に歩み寄り続けてましたみたいな顔して言ってましたけど、
いや、そーでもなくね…???と…。

確かに明日人は一度一星を庇いはしました。でも一星が刺客だと確定して以降、明日人は自分から何か行動を起こしたでしょうか?
鬼道や灰崎のように敵として排除しようとしたわけでもなく、円堂のように愚直に構い続けたわけでもなく、
野坂のように悪人かどうか確実に見極める戦術を用意していたわけでもない。
他の主人公たちはそれぞれ自分のやり方で一星へ積極的にアプローチしたのに、明日人は中途半端だったかなと。
排除派の灰崎達にそこまで真っ向から対立するわけでもなく、孤立する一星を気にしながらも追いかけるわけでもなく…。
どっちつかずで、一星の事情を知って初めて堂々と味方をする理由を得たって感じで。

今回明日人が一星に歩み寄ったのも、お前は野坂の戦術なしでかつ一星の事情を知る前でも同じ事ができたのか?
いやできなかったんじゃないの??って思っちゃいまして…。

そして、私がそう感じるのが単に説得力の描写が足りない(と私が感じている)からなのか、
それとも明日人自身の人間性に問題があるというれっきとした描写なのかがわからないんですよね~。


でも……後者であってほしいな……って……(・∀・)


いや~…私は『遊戯王ARC-V』を見てる時にですね、序盤で主人公の遊矢が危うい人間性の片鱗をを見せながらも
さも俺は正統派光属性ホビアニ主人公ですって顔してる事に違和感と疑念を覚えまくってですね。
それは単に私が穿った見方をしてるからなのかな…とモヤモヤしてたら後々に本当に自分を光属性だと思い込んでる
闇属性の主人公だったって感じの展開になって逆にめちゃくちゃ安心した(?)方でして…。

だからホビアニの主人公が実は性格ヤバイ奴なんじゃないの?って疑いだすとそっち方面に逆に期待してしまうとというか…。
しかも明日人はまだ父親の問題が残ってますからね!!これは間違いなく闇の展開に繋がるでしょうし…
ねぇ!?!?!なんか期待しちゃうよねぇ!?!?!?!?これは!?!?!?

それにですよ、同じく日野社長がシリーズ構成をやってた『機動戦士ガンダムAGE』でも私が主人公フリット
「正統派主人公ですって顔してるけど性格悪くない?でも社長は正統派主人公のつもりなのかな…」って思ってたら
後に社長も我儘・頑固・完璧主義って(確か)ツイートしてて、つまり社長も性格悪いつもりだったって事がありまして。

だから余計に今回さぁ!!!明日人の闇の可能性を信じたいみたいな!?!?!?


どうなんでしょうね~!?!?!まあ、単に描写不足なだけだったらおとなしくシュンとしときますけど…(´・ω・`)