えきふの夢

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イナズマイレブン アレスの天秤 24話感想

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イナズマイレブン アレスの天秤 24話「野坂の宣戦布告」感想


神回でした……。

私の見たかったものが期待を遥かに上回る最強で最高の形で見られました…。
もう前回までで抱いた不安や文句は一体なんだったろうなって逆に困惑するほどの神回でした…。

クソッ……日野社長……マジで感謝っ……!!!!!!

そんなわけで今回も言及する事が多すぎるので項目分けします。


~野坂と西蔭の「距離」の演出によるカタルシス

野坂と西蔭…ついにお互いの心をさらけ出し感情をぶつけあう事ができましたね!!!!!!!
やった~ケンカした!!!!!!そして仲直りした!!!!!!!良かった……良かった……。
ほんと…お互いがこれまで踏み込めなかった距離が破られていく表現があまりにも美しくカタルシスに満ちていました…。

野坂と西蔭には、これまでの話数でず~っと台詞にない部分で描写されてきた距離感というものがありました。
二人は常に近くにいても、その距離感を必ず一定に保っていたんです。決して越えない一線があった。
基本的に、西蔭は野坂の三歩後ろを歩くし、野坂は西蔭と話す際に西蔭の方を振り返らない。
見たとしても目線だけで顔までは向けない。この物理的な距離はそのまま二人の心の距離でもあったわけで。
その領域を侵さないでいる事とは、お互いの心には踏み入らないという事だったんです。

それが初めて破られた瞬間こそ、衝撃の壁ドンシーン。

開始1分でこんな回避不能即死萌えシーンになり、電車でスマホあにてれ)で見てた私は
思わず再生を止めて一旦休憩してしまったんですが…でもこの壁ドンってすごく意味のある事で…。
西蔭が野坂に本音を言って感情をぶつけてしまった事に対して、
野坂もまた「怒り」という感情をぶつけ返したわけで。
この、二人が初めてお互いの心を見せ、心に踏み入った瞬間を壁ドンという物理的な近さ
表現した素晴らしい演出だと思うんですよ。心理的な意味でも物理的な意味でも二重で表現してる。
おまけに萌える。なんて素晴らしいんでしょう。

そしてその距離がさらにもう一段階変化したのが二人がフィールドへ向かうシーン。

ここはもうヤバイです。いやヤバイを超えてる。
西蔭はもう一度野坂の理想に付き合うと誓う時に一歩前へ出て距離を詰めました。
これは上記の壁ドンと同じで、これまで二人の間に保たれていた不可侵領域へ物理的にも心理的にも踏み入ったという表現で。
さらに言うと、壁ドンが野坂から西蔭へ踏み入ったものとするなら、こちらは西蔭から野坂へ踏み入ったもの。
これで対になりお互いからお互いへ距離を詰めた事になるんですよ……めっちゃ尊くないですか……????

でも本当にヤバイのはここからです。最初に二人の基本的な距離の保ち方について書きましたよね?
「西蔭は野坂の三歩後ろを歩くし、野坂は西蔭と話す際に西蔭の方を振り返らない」と…。ここでこれが破られるんです。
野坂は「ああ、もう少しだけ頼むよ」まではいつも通り西蔭に背を向けて言うけど
「…西蔭」と続けた時に西蔭にわざわざ振り返って笑いかけるし、
西蔭は野坂に「行こう」と背を押され、いつもの野坂の後ろではなく隣を歩くんです。
歩く二人の脚が隣同士に並んでいるのがアップに映されるんです。

そしてこのシーンの西蔭は、「あなたに最後まで"ついて行く"」とはもう言わないのです。「最後まで"付き合う"」。


ここで、二人は真の意味で相棒となり信頼関係が完成したわけですよ………。


「ありがとう」や「親友」の言葉を使わずに二人はこれを完成させたんです…。(この言葉自体は今後使ってもいいとは思うけど)
台詞そのものよりも描写の積み重ねで体現されたこのカタルシス…最高に熱く…素晴らしすぎました……。

野坂にはなんとしても西蔭の想いに報いてあげてほしいと願っておりましたが、
ああして顔を向けて話してくれたこと、背中を押してくれたことに野坂なりの最大限の愛情を感じました。
あれだけで十分ですね…。

野坂と西蔭が衝突して仲直りするなら試合中だと思っていたので、
試合前にそれが解決してさらに他の王帝月ノ宮イレブンとの軋轢も解決して、
チームとして最高の状態で試合に臨む事になったのは予想外でしたね~。

でもこれは本当に嬉しい予想外です!もしも野坂と西蔭の信頼関係に亀裂が入った状態での試合なら
雷門に負けても私のショックが軽減するかな~なんて守りに入った事を考えてしまっていたんですが、
やっぱり本気の全力で戦う二人を見たかったので…。
王帝月ノ宮のツートップとして戦う二人を見られるのはこれが最後でしょうしね。


これで、キングス・ランスを使う「最強の矛」たる野坂と、
王家の盾を使う「最強の盾」たる西蔭が、
フィールドに並び立つ姿が見られるというわけですよ!!!!!!
真の絆で結ばれた状態でなぁ!!!!!!!!!!!!!!


最強で最高にカッコイイじゃないですか!?!?!?!?!?!


負けるショックを軽減する事なんかよりこの最強にカッコイイ構図が見られる嬉しさの方が断然上ですよ!!!
これはもしかして、合体技のオーバーライドも期待していい感じなのでは!?!?!?(調子に乗ってきた)


~単純に西蔭政也がかわいすぎる~

「俺はあなたともっと一緒にいたい!」には度胆抜かれましたね…。


いや…だって……かわいすぎる…………。


西蔭が「世界を変えること」と「野坂さんと一緒にいること」の目的と手段が完全に逆転しちまってる奴である事は
14話の時点で知ってはいましたが…その…あまりにも純真無垢に気持ちに素直すぎて……。
お前…もうちょっと我慢や躊躇をする奴かと…野坂のための奉仕と単なる自分の願望の区別ができる奴かと思ってたのに…。

それに言い方…「一緒にいたい」ってオイ…「共に在りたい」とかもっとかっこよさげな言い方あっただろ…???
なんだよ「一緒にいたい」って…????言った後ぎゅって目つむりやがって…幼児か…????
中学2年生に見えないほどのムキムキゴリラボディを持った幼児なのかお前は…?????????


本当に最高の男です。惚れ直しました。


しかし、この超カワイイ「もっと一緒にいたい、サッカーなんかすぐやめてくれ」発言は戦いを放棄する弱い者の発言なんですよね。
「野坂さんをお支えする立場」を自称しながらも野坂の信念の邪魔にすらなる発言をしてしまった西蔭は、
あの時点で野坂さんという存在に相当甘えて依存してしまっていたんですね…。野坂の実像が見えなくなる程に…。
だから病気の事を話してくれなかったと知った時も、野坂を信じ切れずに疑念や嫉妬にとりつかれる…。
かつてストリートをその拳で制したであろう元ヤンの男が自分より体格も背も小さい男に依存して泣きついて
拒絶されて狼狽える姿には、なかなかどうして背徳的なギャップ萌えを感じてしまいますが…

でもそんな見苦しいとも言える心の姿でも野坂に余すことなくさらけ出してくれたのは良かったです。
それをちゃんと言葉にしたからこそ野坂の怒りを引き出して本音でぶつかってもらえたわけですし。
あれを冷たくあしらうんじゃなくてマジギレした野坂は、それだけ西蔭を
戦いで背中を預ける者として信頼していたって事なんじゃないですかね。
同じ場所で一緒に戦ってきた西蔭だからこそ、そんな事を言ってきたのが許せなかったのかもしれません。
まあ…それだとじゃあ病気の事も話してやれば良かったじゃん!ってなるんですけどねw この辺はどうなんでしょうね。

結局西蔭は野坂に惚れた当初の気持ちを思い出す事で依存から脱する事ができました。
西蔭が信念の為に自己犠牲を厭わない野坂に惚れた事は、西蔭は根本的に野坂の生き方の否定ができないという事なので、
15話で回想を見た時点でこれは後々西蔭を葛藤させ苦しめる事になってしまうのでは…と思っていました。
まさかこれが西蔭の救いになるとは思ってませんでしたね!これもいい意味で予想を裏切られました。

も~「あの頃からあなたはちっともブレちゃいない…同じだ」と敬語を崩しながらくしゃっと笑う西蔭の尊さよ…。
この敬語の崩し方が絶妙で…。元々西蔭の敬語ってそんなにキッチリしたものじゃないんですけど、
文の言い切りを少しずつ崩してるんだけどあなた呼びは崩さないところが…とても良い…(・∀・)
西蔭の敬語が崩れる時は期待してたんですが、完全に崩れてほしくもなかったのでこれが理想的ですね。

しかし…西蔭の心にもう曇りがない事は承知で言いますが…
「もっと一緒にいたい」とまで言った西蔭が野坂さんの死すら受け入れたのは見てる側としては切ない事でもありますね…。
もちろん、西蔭の覚悟に水を差すような事を言うつもりはないのですが…。
野坂さん…どうにかして助かってほしい…助かるはず……もっと…もっと一緒にいられるよね……??
一緒に世界行くんだもんね……??くっ…イナフェスでオリオンの刻印のPVをこの目で見たはずなのに不安だぞ…(´;ω;`)
日野社長も野坂の生死に関しては伏せてるし…クソッ…一番大事なネタバレはとっときやがるんだ…(´;ω;`)(´;ω;`)


~「イナズマイレブン」らしさと野坂と西蔭~

西蔭に「サッカーなんか」と言わせたうえでそれに野坂が馬鹿野郎サッカーやるんだよ!!ってキレて、
二人の関係の尊さによってサッカーをやる事が全力で肯定されるという流れの根底にすごく「イナズマイレブン」を感じました。

野坂周りであれだけ暗い背景やドロドロの人間関係の構図を見せつけたあとで、物語がサッカーへと収束する。
別に暗さやドロドロがいらないんじゃなくて、それを必要な人間ドラマとして土台にしたうえで、
「サッカーをやる」という事が最後に一番意義を持つという。暗さやドロドロがサッカーをやる意義の説得力と化す。
野坂の背負った重い宿命も、西蔭の野坂へのちょっと重い愛も、サッカーをやる必然性へ繋がっていく。
それでこそ「イナズマイレブン」だなと思いましたし、
ほんとに日野社長の作るキャラクターと物語のロジックは見事だなぁ…と感動しました。


~野坂悠馬の生き様はカッコイイのかカワイソウなのか~

最初に「前回は一体何だったんだよ」と書きましたが、前回と今回の話のノリの差で一番驚いたのが
前回が野坂を「すごくかわいそうで救いを求めてる奴」として描いていたように見えたのに対して
今回の野坂が「すごくかっこいい覚悟を決めてる奴」でしかなかった事なんですよね。
14~15話でも野坂は救われない姿と自分の意思で戦っている姿の両方を見せていましたが…。

一体どっちの野坂が本当なんでしょうか?
この物語は野坂悠馬という人間の生き様を肯定するんでしょうか?否定するんでしょうか?
そこの結論はどうするんだろうなってすごく注目してるところです。

私としては…今回の話を見たら、肯定されてほしいなって思いました。
上に書いたように、野坂の選択をヒロイックに描いた今回の話に「イナズマイレブン」らしさを感じたので
やっぱりサッカーをやりたい/やろうとする少年の気持ちが絶対に肯定されるのが
イナズマイレブン」であるべきだよな~と思ったんです。

そりゃあ野坂の心の救われない部分や病気には何とかなってほしいですけども!
それでも野坂が自分自身の強い意志で戦う事を選んだ以上、その生き様は許されてほしいんです。
かわいそうな奴として一方的に救われる存在であってほしくはない…
野坂の価値観が伊那国雷門に敗北してしまうのだけは嫌だな~…って今回で強く感じました。

だからまあ…私が野坂と杏奈の絡みがイマイチ好きじゃないのは、
杏奈との絡みだとかわいそうな部分が掘り下げられてそっち方面に話が行きそうで
不安になるからっていうのもあるんだろうな…って思うんですよね。
前回の感想で散々文句たれたのもその不安がピークに達してしまったからだと思います。
(今思えばカワイソウ方面を掘り下げる役割が杏奈でカッコイイ方面を掘り下げる役割が西蔭なのかもしれないですね)

でも、野坂は杏奈に「君にも僕の最後のプレーを見てほしい」と伝えましたよね。
杏奈も今回の話を見ると何か動きがありそうですが、杏奈だってたぶんサッカーを好きになって
選手がサッカーにかける想いは理解できるはずでしょうし、どうか野坂の想いを汲んで見守ってあげてほしいですね。

星章戦で野坂のやったサッカーは正々堂々ではなく、確かに「偽りの自分を演じている」と言えたのでしょうが…
次の王帝月ノ宮イレブンは、野坂は、きっと誇り高いサッカーを見せてくれるはず。(グリッドオメガは使うみたいだけど…w)
だから大丈夫!!!!!!杏奈ちゃんだってそれをわかってくれる!!!!!!!(わかって~~!!!!!)


さて、次回からはついに最終局面!!!!決勝戦・王帝月ノ宮戦!!!!!!!!

野坂と西蔭が最強で最高の真の絆で結ばれた今!!!!!!
当然不安よりも期待の方が圧倒的に大きい!!!!!!!!!!!!

唯一明らかに不安なのは野坂の生死くらい!!!!!!!!!!(血涙)

手に汗握って見守りましょうとも!!!!!!!!!\(^o^)/