イナズマイレブン アレスの天秤 15話「皇帝の苦悩」感想
~超次元小学生西蔭政也~
西蔭が元ヤンである事が明かされました。爆笑しました。
小学生にして今とあまり変わらない長身ガッシリゴリラであり、舎弟を引き連れその拳でシマをシメており、
ゴールドとシルバーのネックレスと指輪をジャラジャラ身につけたファッションセンスで、
輝かしい補導歴を持っていそうなオーラを全身から振りまいているのである。
完全にイキっている。ちょっと面白すぎやしませんか。
そんな男が今は王帝月ノ宮というエリート中学に入り、アクセサリーを一切身につけず地味な色のおとなしめのファッションで固め、
野坂さんの三歩後ろを歩く物静かな敬語参謀キャラとなっているのである。壮大な中学デビューである。
しかしその「惚れた漢(オトコ)について行くぜ」精神こそがまさしくヤンキー的な思考回路と言えるので、
11話で灰崎にタンカを切った態度といい、根本的には全然ヤンキー卒業できてないんじゃないかコイツと思えてしまうのである。
私はもうギャップ萌えで死にそうです。
中学デビューめっちゃがんばったんだな~でもヤンキー感隠しきれてないな~ってところももう…愛おしくて……。
これまでは幼い頃に野坂に何か恩があったのかな~と思っていたので、
西蔭が勝手に惚れてついてくるようになった(しかもヤンキーだった)ってのはびっくりだったんですけど…
でも私ギャップ萌えとか元ヤン設定とか大好きなんでめっちゃ萌えます!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!
でもコイツどうやって王帝月ノ宮に入れたんだ!?!?!?!
野坂が王帝月ノ宮に入るのはもう決まってたとして、西蔭は野坂についていくために入ったわけだから
アレスに選ばれたんじゃなくて自ら志願したって事ですよね???
西蔭あの様子じゃ小学校にもろくに行ってなさそうに見えたから勉強とか成績とか良くなさそうだし
それどころか警察にもめっちゃお世話になってそうだったんだけどこう…前科持ち(?)でも受験(?)大丈夫だったのかな!?!?
それともかつてシマをシメたその拳がGKに向いてるとアレスにめっちゃ評価されたのかな!??!?
過去を明かされたらより謎が深まってしまった男であった。
~野坂と西蔭の関係について~
西蔭の超次元ヤンキー小学生っぷりには大変笑わせて和ませてもらったんですけど…
野坂との関係を思うと切なくもなりました。
西蔭はたぶん、野坂の余命の事を知ってるんじゃないでしょうかね。
「あなたに最後までついていく!」の「最後」が西蔭にとって何を意味しているのかと思うと、知っている気がします。
でもあの過去を見たら、西蔭は野坂に「命を削るな」なんて絶対に言えないんだろうな…という確信もできてしまったんです。
西蔭は、自分の命すら惜しまずに世界を変えたいと願う野坂の生き方に惚れてしまったんですよね。
野坂の葛藤や余命の事を知っていたとしても、今更自分自身の命や幸せを大切にしろなんて言えないんじゃないかな…。
野坂がどれだけ苦しんでいても、西蔭にはどうしようもない…ただ一緒に茨の道を歩むことしかできないんじゃないかな…。
結局野坂の生き方に「そんなの悲しい」「間違ってる」ってケチをつけられるのって、光の世界で生きる人だけだと思うんですよね。
ずっと闇の中で生きてきた野坂や西蔭にとって自分達が「世界を変えられる」って事はやっと見つけた光で、
いたいけな希望なわけで、たとえ他人に憐れまれても、自分自身が辛くても、
それを諦める事なんて簡単にできないと思うんですよ…。
だから二人はお互いと自分自身を救い出す事ができなくなっちゃってるんじゃないかな~~と……。
いや~~二人はそういう関係性だといいなって思ってたしそこは萌えるんですけど…
やっぱ実際に引き返せなくなってるところを目の当たりにすると普通に辛いですね……。
西蔭が「そうさ、俺は決めたんだ…あの人と一緒に世界を変えるって」と心で呟く前に持っていたボールを強く握ったのは、
単に気合を入れただけなのか、それとも何か別の感情があるんですかね……。
~早速外れた私の予想と野坂について~
野坂の病気は脳腫瘍だそうです。
前回の感想で私は「野坂と茜の計画はリスクの高い移植手術では?」と予想しましたが早速外れたようです…。
脳は移植できませんもんね…。しかし、今までイナイレで病気や病弱設定のキャラが登場しても
具体的な病名は出さなかった気がするんですが、今回はハッキリと出してきましたね…
それも、たとえフィクションでも助かる見込みが薄いとすぐにわかる病名を…。
え……日野社長……
これほんとにハッピーエンドになるの……????どうすんの……???マジで……??????
まあ…その辺についてはとりあえずもう考えないようにします。
考えないようにしたので、野坂の「計画」を予想し直しましょう。
まず、野坂はアレスの天秤がもたらす恩恵が希望であると純粋に信じているんですね。
優秀な子供が増えれば、その子達が大人になった時自分の子供を愛する事ができる。
自分のように愛されない子供が存在しなくなる。誰もが愛される世界になる。アレスによってそれが実現できる。
それは偽りでなく本気で持っている信念だと思うんですよね。
でも灰崎に「アレスのせいだという決定的な証拠を見つけろ」という言葉をかけていて、
灰崎がアレスを潰すようにけしかけているかのような姿勢も見せているんですよね。
それに、野坂は自分を教育した上層部の大人達の言いなりになっているというわけでもない。
今回も御堂院の思惑通りには動いていなかったようですし、
子供を道具扱いする、理解しない大人はたとえ監督であろうとハッキリと軽蔑している。
大人に信じ込まされた生き方をしているかわいそうな子、では絶対にないんですよね。
この辺から考えると…
野坂の目的…「計画」とは、「大人ではなく子供である自分の手で"アレスの天秤"を行う事」なのでは?と考えました。
大人によって行われている今のアレスの天秤では、子供は道具にされてしまい、真に子供のためにはならない。
だから子供の力で、世界を変えようとしてるんじゃないかと。それが「僕は"この手で"世界を変える」って事なのかな?
茜もそれに賛同して協力してる感じなんでしょうか。
今度こそ予想が当たるかはさておき…(っ´∀`)っ□
とにかく、野坂は彼なりに本気でよりよい未来を作ろうとしてるっていうのが今回で確信できたと思います。
ただ…やはり野坂は自分自身の幸せは放棄した前提で未来を考えていて、そこが悲しいところなんですよね。
杏奈に「彼らなら自分の子供を愛せるだろう」って自分の次の世代の話をしていた姿が、
自分だってまだ子供のはずなのに、あまりにも達観していて悲しかったです。
しかし、野坂は達観して未来を語れる精神性を持ちながらも、やっぱり苦しそうにもしているわけで…。
「世界を変えたい」っていうのも、逆に言えば何かを成さなければ自分の存在意義すら証明できない、
自分が生きた証を残しておかないと自分の人生に何の意味もないんだって傷ついた心のままでいるわけで…。
野坂には子供らしい幸せを手に入れてほしいけど、
かといって「世界を変える」っていう理想だって誰にも否定できないものだと思うので叶えてほしいし…。
どうなればいいんでしょうね……。
~やっぱり尺が短すぎる~
そして、う~~~ん……。やっぱりアレスの天秤は話進めるペースが早すぎますね…。
話自体はめちゃくちゃ面白いんですよ。今回の雷門VS世宇子も試合内容自体は素晴らしかった…。
爆熱ストームとか弾道補正とか世宇子新世代とか良かった…アフロディ良かったねって思った…。
ただ、やっぱり詰め込みすぎてる…。それで今回で自分の中で納得したんですけど、
星章サイドや王帝月ノ宮サイドのドラマは駆け足でやっても面白いんですよね。
結局この駆け足スタイルで一番割を食ってるのは伊那国雷門なんじゃないかなぁ~と…。
星章や王帝月ノ宮の魅力は人間ドラマや複雑な背景で、その辺のドラマをゼロから説明してやる事で
愛着を持てるんですけど、雷門はやっぱり特訓回とか個別回で愛着が沸いていくタイプなのかな~と…。
それを省略していく今作のスタイルだと、どうしてもメイン他2校と比べて印象が薄くなっちゃう…。
日野社長も尺のなさには悩んでいるようですが、尺配分のスケジュールはずいぶん先まで
既に決まってしまっているもので、変えられるものじゃないと思いますし、
今作の全体的な詰め込みっぷりはたぶんずっとこのままなんでしょう…。そこは本当に残念です。