えきふの夢

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遊戯王ARC-V 145話感想

遊戯王ARC-V 145話「終わりなき反逆」感想

 

144話の感想を書き足りなくてずっと書いてたら145話の感想を書き損ねてました!!(´∀`;)

さて、黒咲隼の物語の決着だった今回。なかなか悲しい結末でしたね…。

黒咲は思い込みとその場のノリで生きてる激情型の人間だと私は解釈してるので、
「いや絶対どこかに瑠璃もユートも取り戻す方法があるはず!」とかほざいて旅に出てくれた方がまだ安心できたのに…。
そういう黒咲が瑠璃とユートの人生がもう存在できない事を受け入れたっていうのが結構ショックですね。

でも、遊矢の中にユートが、あの誰かもわからない少女の中に瑠璃が生き続けているっていう事も
(少なくとも現時点では)単なる黒咲の気持ちの問題というか、本当に事実かどうか確かめようのない事なんですよね。
それを、俺が生きてるって言ったら生きてるの!って勝手に確信する事こそが彼の「反逆」であり、
事実が何であろうと彼はきっとずっとそう思って生きていくだろうから、「反逆」は終わらないのだと。
それが「終わりなき反逆」って事なのかなと思いました。

今まで私は黒咲の物語を復讐譚として見ていまして。黒咲が遊矢達を仲間として意識してだんだんと光の道を歩んでいく先で、
自分の今までの闇の道だとかすでに返り血に染まった手はどうなるのか、報いは受けるのかと気になっていたんですが…。
過去の自分を反省はしているけど、復讐に生きた報いって方向には特に行かず…というのが描写としては最終的なものかな。

う~ん…こうして見ると、黒咲の物語って別に復讐だとか報いだのの話じゃなかったんでしょうね。
もし復讐の話なら、瑠璃を(恐らく)デュエルで痛めつけたうえに直接誘拐したユーリや
一応ユートを殺した犯人であるユーゴともっと絡みがあったんじゃないかと思います。
デニスとの因縁ももっと引っ張ったんじゃないかと思います。自分が真澄達にした事とかも。
でもその辺の事は黒咲の物語の決着に関わってくる要素ではなかったようです。
結局黒咲がやってたのって、具体的な相手への「復讐」じゃなくて、もっと概念的なものへの「反逆」だったのかもしれません。

そしてその反逆は終わらないと。
143話での権ちゃん、144話でのデニスと引き続き、ラストデュエルでそれぞれの未来が示されていってますが、
今回で黒咲の未来も示されたわけですね。かなり切ないんですけど、彼らしくはあるのかな…って思います。

しっかし、私には遊矢と柚子以外の分身達もなんだかんだで復活できるのかな~って楽観視してた部分があったので
今回でそれがなさそうと示されたのがすごくショックですね…(´・ω:;.:...
分身達にもそれぞれ別の人生があったのに、って物語的にもそれを悲劇として描いているのが余計にね…。
遊矢達四人と柚子・セレナはがんばってデュエルとかしてたけど、瑠璃やリンなんかはわけもわからず攫われて
監禁されてやっと身内と再会できたと思ったら虫に洗脳されて気付いたら消滅させられて人生終わったわけですから、
かなりかわいそうですよね……。

でも、分身達がそれぞれ生きていようともみんなが幸せになれるわけじゃないんですよね…。
零王からすれば娘のレイは人生を奪われたままで。結局誰かが悲しい…。

零王は柚子達の人生を最終的に尊重してくれたけど、柚子達分身を「幻としか思っていなかった」って気持ちだって
誰にも否定できるものじゃないと思うんですよ。遊矢や柚子にとってスタンダード次元が故郷であるように、
零王にとってはかつてあった世界が故郷であったわけですし、そっちが本物で、今の世界は偽物なんですから。
修造さんが柚子の部屋を物置部屋だと思う事も、柚子を娘だと思う事も、
世界のシステムによってそう思い込まされてるって点では同じなわけで。
遊矢にとって柚子が幼なじみだった事も、黒咲にとって瑠璃が妹だった事も。

そうなると、仕組まれた世界に生まれた遊矢達が大事にできるものって、
本物か偽物かどうかの客観的な事実じゃなくて自分の心にある真実しかないのかな~って。
だから、今回の黒咲の出した結論はARC-Vの世界観的にも意義のあるものだったんじゃないかと思います。