えきふの夢

アニメ・マンガ・ゲームの感想や萌え語りを書いたりしてます。

エンタメとは何か?


「エンタメとは、デュエルとは何なのか?」っていうのが、ARC-V全体に渡って問われてることのひとつだと思うんですが、
シンクロ次元編を通してわかりつつあるのって、「エンタメそのものに正しさはない」って事だと思うんですよ。

 
シティでは、貧困層の犯罪者検挙がテレビ中継されるし、
フレンドシップカップで参加者が死亡(未遂だけど…)する事や、ガチの殺し合いをする事すら見せ物として消費されている。
それがシンクロ次元におけるデュエルによる娯楽(=エンタメ)の姿なわけで。

だから、エンタメが必ずしも「幸福や平和や愛に満ちた何か」とは限らなくて…。
遊矢が信じている「エンタメそのものが持つ正しさ」っていうのは、ほぼ幻想に近いものなんですよね…。
遊矢もそれに気付いてしまって、気付いたうえで、それでもエンタメを尊いものだと信じたくて苦悩している…
…というのが今の状況でしょうか。

しかも遊矢は、エンタメとデュエルを同化して見ているんですよね。
自分の信じるエンタメを伴わないデュエルに対して「こんなのデュエルじゃない!」とまで言いますから。
遊矢にとっての理想のデュエルっていうのは、理想のエンタメなんですよね。

遊矢のこれからの戦いは、正義と悪の対決だけではなくて、
彼の信じるエンタメの…デュエルの在り方そのものを問う試練にもなっていくと思います。

特にアカデミアとの…ユーリとの対決はその問題を大きく動かすんじゃないかなぁ~と踏んでおります。
遊矢にとってユーリは、柚子を攫おうとしている時点で当然敵なわけですが、
理想とするデュエルの在り方が何なのかって点でも正反対に位置していると思うんです。

遊矢は「デュエルでみんなを笑顔にしたい」と思っているけど、
対するユーリは「自分が楽しければデュエルでどれだけ他者を傷つけても構わない」という考えの持ち主に見えます。
「デュエルを楽しみたい」という気持ちは二人とも共通して持ってはいても、そこが決定的に違う。
おまけに二人は顔も声も同じなので、ユーリは遊矢の悪い鏡のような存在と言えるんじゃないでしょうか?
宿敵と呼ぶのに相応しい存在だと思うんですよね。
(そんな素晴らしい高級素材が先週白目エアデュエルという醜態を晒した悲しみ…。)

そして、二人の対決にデニスが関わってくるともっと盛り上がると思うんですよね。(~やっぱりデニスの話へ~)

デニスはおそらく個人的には遊矢の「みんなを笑顔にしたい」側に共感しているのでしょうが、
最終的にはアカデミアの人間として、ユーリの「自分さえ楽しければいい」側に属す事を選ぶ奴なんだと思います。
鏡のような遊矢とユーリの間にデニスが立っている構図を想像すると、大変オイシイです。
そんでもってデニスは遊矢の理想とするエンタメ…つまり榊遊勝のエンタメデュエルとも繋がりのある人物でもあるんです。
彼を活かさない手はないんじゃないでしょうかね。

…いや、まあ、あの…デニスに関しては私の個人的な願望がでかいので…。
正直、デニスがそこまで大きい役割を貰えるかどうかは自信がありません…(´・ω・`)

でも、遊矢とユーリの対立構造はARC-Vの持つテーマ上、絶対にやってほしいし、絶対にやると思っています。

何せ、「デュエルが争いの手段となること」自体をシリーズで初めて(本格的に)否定しにかかったのが今作ですから。
悪のボスを正義によって倒す、っていうのがゴールじゃダメだと思うんですよ。それじゃあ今までのシリーズと変わりませんから。
「デュエルとは何なのか?楽しい遊びなのか?争いの手段なのか?」って問いに答えを出さなきゃいけないと思うんです。

ユーリとの対決では、「デュエルの楽しさとはどう在るべきか?」という価値観のぶつかり合いが見られるはずです。

そして、そういうデュエル観の戦いをやってこそARC-Vのテーマが描けるんじゃないでしょうか。

最後に。
遊矢に与えられた主人公としての課題って、ある意味今までの倍あってめちゃめちゃ大変だと思います。
案の定、今問題が並行して多発してて、すでにいっぱいいっぱいになっちゃってて、
本当に収拾つけられるのかこのアニメは!?って正直すごく心配になるんですけど……

でも、期待してます!(`・ω・´)